All Tomorrow’s Girls

It's hard to stay mad, when there's so much beauty in the world. ━American Beauty

近況

 日中はまだ日差しもあるけれど、革ジャンを羽織る季節となりましたね。
 

 3日文化の日に、東京国立博物館で開催中の「皇室の名宝」展に行ってきた。この特別展は1期と2期に分かれていて、この日は1期の最終日。1期では、狩野永徳伊藤若冲横山大観上村松園といった近世から近代にかけてのまさに白眉という絵画と、工芸作品が大量に展示されるというので、かなり期待し、そして相当の人混みも覚悟して上野に向かったのだが、私が到着した正午過ぎには、10分待ちだった為、大したことないなと建物に入った。ら、さにあらず。
 「第1章 近世絵画の名品」会場を順番通り観ていこうとしたら、途中、伊藤若冲の展示場に、もの凄い人だかり!入り口付近に今回の目玉である「動植綵絵(どうしょくさいえ)」(宝暦7年頃〜明和3年頃)とは別の作品「旭日鳳凰図(きょくじつほうおうず)」(宝暦5年)が展示されていて、その鳳凰の眼の気持ち悪さと大きさに圧倒されつつ、並んでいても全然進まないと思いきや、歩きながら鑑賞するのではなく、どこからでも好きなところを見てくださいと案内係もアナウンスしていた。しかし、頭越しでは、作品の上半分しか観られない。濃密過ぎて、数枚観るとどっと疲れそうな若冲の「動植綵絵」が全30幅が揃うなんて、この先2度とないかもと思えば、ガラスに張り付いて一枚一枚じっくり鑑賞している年配の方々の気持ちも分る。
 結局、私は若冲を後回しにして、先に比較的空いている「第2章 近代の宮殿装飾と帝室技芸員」会場を観ることにした。ここは先ず、横山大観の作品がどーんと出迎えてくれた。いつものようにパンフレットの番号順に、自分が気に入ったものを丸付けしていったのだが、結果、No.31 瀧和亭「孔雀鸚鵡図」(明治29年)、No.49 並河靖之「七宝四季花鳥図花瓶」(明治32年)、 No.75 鏑木清方「讃春」(昭和8年)、No.76 上村松園「雪月花」(昭和12年)の4つ。
 ここまでで既に1時間半も鑑賞に時間を費やし、足も疲れてきたので、スツールに座って休みつつ、最後に、再度“若冲部屋”に勇んで入った。今度は、ガラスに近いところで鑑賞できたので満足。特に、「紫陽花双鶏図(あじさいそうけいず)」、「老松白鳳図(ろうしょうはくほうず)」、「老松孔雀図(ろうしょうくじゃくず)」、「群鶏図(ぐんけいず)」と並んだ4幅が圧巻。
 他にも、教科書でしか見たことがない安土桃山時代狩野永徳の唐獅子図屏風や、巨大な掛け軸、円山応挙の「旭日猛虎図」(天明7年)に感動した。2時間近く堪能し、上野精養軒で食事して帰宅。購入した図録を家族に見せる。

「皇室の名宝展」の『動植綵絵』 | 弐代目・青い日記帳  写真が豊富。詳細なレポです。



 ―――とまあ、博物館に行って、一人優雅に過ごしていたばかりではないのだが、現在自分が抱えている学校の仕事が、なかなか進展しなくて疲れを通り越して飽きてきているのと、あとは、娘の受験校の絞り込みのために、オープンキャンパスに親子で出かけたりだの、それとは別に下の息子の転校を見据えて、何校か見学に行ったりだとか、そんな感じ。で、明日は人間ドックだし。以上、近況報告。