図工の先生の言葉
土曜日、息子の小学校の作品展へ行ってきた。どの学年も、個人では平面と立体の作品二点を制作して発表していた。学年単位の共同制作作品もあり、息子の学年は影絵を披露した。
そして、例の息子の木工作品であるが、太鼓を叩く熊を作っていた。作品には直筆でコメントが添えられていて、見ると『このくまは、作るのに時間がかかってしまってやっと完成してうれしかったです。』とあった。
体育館全体に展示された色・形とりどりの作品をゆっくり鑑賞していると、所々に図工の先生の解説文が掲示されていることに気付いた。制作中の子供たちの様子がよく分かる、完成までの過程を綴った文の他、鑑賞する側に向けたメッセージもあった。その中で、私が心打たれ書き留めてきた箇所をポストする。
絵の具、クレパス、パステル、色エンピツ、マーカーなども、自分で選んで使っています。
しかし、思ったとおりに線がかけないこともあります。思ったとおりに色がつくれないこともあります。絵の具がはみ出してしまうこともあります。でも、でも、「それがよいのです。」
今のあなたのできる、今のあなたのよいと思うデザインがよいのです。せいいっぱいのあなたが、そこにいればよいのです。
図画工作は、あなたのための時間なのです。あなたがつくる色や形に、ちょっぴりでもあなたが、命をふきこんであげればよいのです。
──3年生が描いた絵のそばにあった言葉
失敗することが大切であり、失敗しても、またやり直すことが大切だということです。最近の子どもたちは、自分の思った通りに進むことが○であり、自分の思った通りに進まなかったことが×であると、決めてしまうようなところがあります。
──6年生が描いたポスターのそばにあった言葉
友達の絵をじっくり見てください。
描いた人の特徴が感じられてきます。そして、すてきな思いが伝わってきます。さあ、「上手、下手。」しか言えないさびしい鑑賞者ではなく、すてきなところを見つけることができる心の温かな鑑賞者になってください。
──6年生が描いたポスターのそばにあった言葉