ナイフ

ナイフ (新潮文庫)

昨夜寝室で子供とテレビ（となりのトトロ）を観た後、読んだ文庫本。いつもどおり眠りの誘導のつもりで──その為に数日前に買った──本なのに、結局読みはじめからあとがきまで一気に読んでしまった。その時既に時計は2時を指していたが、頭が覚醒してしまい、普段は理屈で抑えている自分の不安な気持ちや悩みごとがぶわーっと心の奥底から湧いてきて、頭の中をぐるぐると回転し始めるといよいよ眠れなくなってしまった。
これでもかこれでもかと続くいじめの描写に読むのが辛くなってしまい、途中で「この本に出会わなければよかった」と後悔しつつも、もしかしたらいじめられている主人公に救いの神が登場するかも知れないとやわな私は期待して読み進め、結局このゲーム（＝いじめ）は「殺す・死ぬ」のところまでいかないと終わらないのだと気付いた途端、絶望感がこみ上げてきた。これはフィクションだが、現実はこれ以上なのかも知れないし、分からない。