All Tomorrow’s Girls

It's hard to stay mad, when there's so much beauty in the world. ━American Beauty

short film "The Amputee" by David Lynch

http://video.google.com/videoplay?docid=8228930212756018337


息子の入学と同時にPTAの仕事で連日出校する為、落ち着くまでしばらく更新を休もうかなあと思っていた矢先、Hugo Strikes Back! のエントリーを読んだら、お返事したくなったので以下にちょっと書いておきます。

この1974年の『切断手術を受けた人』(The Amputee)は、デヴィッド・リンチ監督が、『イレイザーヘッド』の撮影を資金不足で中断していた時に作った短編映画だ。制作のいきさつについて、監督はこう話している。(ASIN:4845999919 pp.107-108より)

AFIが二種類のモノクロのヴィデオ・テープのテストをしていてね。まとめて購入するんで、どちらを買うべきか、フレッド・エルムズにテストさせようとしたんだ。それでフレッドが僕らの撮影現場へやって来て、翌日ここでテスト撮影をやるって言った。彼はこれでいくらかもらうはずだと僕は思ってね。ぱっとひらめいたんだ。僕は言った。「フレッド、何を撮るつもりなんだ?」彼は言った。「さあ、わからないな。テスト・パターンみたいなものかな」それで言ったんだ。「ほかのものを撮ったら苦情が出るかな?僕が脚本を書くから、同じものを二度撮ってみないか? それでどっちのテープがいいかわかるし、僕らも何か撮れるし」彼は答えた。「問題ないと思うよ。むしろ、そのほうがいいのかもしれない」
それで徹夜で脚本を書き、キャサリン・コールスンと一緒に装置や何かを作った。すごく面白かったよ。同時録音ができないんで、撮ったヴィデオを巻き戻して、その場で映像に効果音をつけていったからね。大急ぎで音響効果を仕上げていくのが、すごく刺激的だった。
──どういう映画なんですか?
キャサリンが椅子に座ってて、彼女は両脚を切断されている。彼女は自分が書いた手紙を思い返していて、頭の中で声に出して読んでいる。そこへ医者が入ってきて、それは僕なんだけど、脚の切り口のところを消毒して、それでおしまい。(笑) ごくミニマルな作品さ!

この説明でHugoさんの疑問は解けたでしょうか?:-)
さて、映画の中の女性 キャサリン・コールスンについて、リンチ映画ファンならピンときたと思うが、ジャック・ナンスの妻であり、『ツイン・ピークス』の“丸太おばさん”(Log Lady)である。

デイヴィッド・リンチ―映画作家が自身を語る

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