All Tomorrow’s Girls

It's hard to stay mad, when there's so much beauty in the world. ━American Beauty

西牧徹「黒戯画源展」


先日お会いした時に、ご本人から嬉しそうに教えて頂いた個展のお知らせが、ヴァニラ画廊にも告知されています。丁度1ヵ月後の開催ですね。西牧ワールド全開の個展、観に行くのが楽しみです。

【会期】 6/2(月)〜6/14(土) 12時〜19時 土曜17時まで 日曜休廊
【場所】 ヴァニラ画廊
※ オープニングパーティー6月2日17:00〜19:00/入場料800円(オリジナル・キエムクーチョコレート付き)アサコ嬢のパフォーマンスも有るとの事。

そうそう、ふと思ったのだけど、彼女の笑った顔って八代亜紀に似てない?? 

vanilla-gallery
西牧徹/黒戯画世界 Blacken Caricature/Toru Nishimaki


追記:2008-6-9 15:40 
 開催初日の6月2日に、Hugoさん、中野スカさんと共に鑑賞。(参照) 
 私はくまのキエムクーが大好きなのですが、今回の個展では、そのキエムクーを中心とした“福画”(西牧さんが命名した『黒戯画』を2つに大別したうちの1つ)は一切なく、ヴァニラ画廊に相応しい“艶画”と、西牧さんの制作モチーフの根幹である「ブーツで食べ物遊び」の映像を中心とした展覧会となっていました。
 西牧さんの鉛筆画を初めて観て、テーマが大胆なのに対して、その繊細さに感動。部屋の中で二人で戯れたり、深々とソファに腰を下ろして独りで玩具やお菓子と戯れている絵の中の女の子たちは、肢体は迫力があるのだけど、やはり絵全体から受ける印象が繊細で緻密なので、「きっと西牧さんご自身も繊細な方なんだろうなー。変な意見を述べると傷つけちゃうだろうなー。」などと、妙なことに気にかかったり……でも、まあ、結局感想は感想で、忌憚のない意見はいうのですが。とにかく、鉛筆画は本当に良かったです。こやまけんいちさん作成の温かみを感じる額縁が効いていることもあり、ネットで観る絵の印象と実物を間近で観るのと、絶対印象が180度変わると思います。hazy_moonさんのように。
 あと、入り口近くの棚の前に置いてあった、ケーキを持ったブーツを履いた女の子の絵がついた小さな行灯が面白くて、大変気に入りました。家族で熱海に行く時に必ず泊まるホテルがあるのですが、そこでは、夜は枕元に、冷たい水が入ったポットとほうじ茶が入ったポットをのせたお盆と、小さな行灯型の照明を置いてくれるのですが、その行灯にしたいなーと思いました。
 さて、と、林アサコ嬢による食べ物あそびの映像について― 
 西牧さんから我々3人に椅子と飲み物を勧められ、一緒に観たのですが、正直私は長く見ていることができないというか、落ち着いて見ていられなかった。以前にもそのビデオのキャプチャー画像(参照)を見て、西牧さんにメールで『ぐちゃぐちゃに食べ物と戯れても、少しでも口に含む、または、舌で舐めている部分が分かれば、まだ生理的にすっきりするのですが』という感想を述べたことがあったのですが、その時は、実はビデオの続きがあり「おやつの時間」も撮ってあるのだという説明があったので、なるほどと納得しました。けれど、ヴァニラ画廊で映像を観た時には、また別の感情が湧いてきて……どうせ口にしないのなら、、ミミズとか土とか練り歯磨きも混ぜればいいのにとか、ケーキで遊ぶなら豪華なウェディングケーキにしてチェーンソーでぶった切るとか、少量のドーナッツやバナナや生クリームではなく、どうせなら洗面器位の巨大なゼリーやババロアがテーブルに並んでいる状態でそこにダイビングするとか、ポタージュスープを頭からかぶればいいのに、非日常的な食材で遊べばいいのに等々……結局私はドラマ性を求めているのだなと気付きました。
 その話を一度Gtalkでヒサミチさんとしたときに、私が思う“食べ物遊び”は蕩尽では?と指摘され、次いで、私が考えるインパクトやドラマ性はわざと排除したあれは密室芸ではないのか、フェティッシュに細部をおもしろがっていると解釈する、といったことを言われ、目から鱗が落ちました。