All Tomorrow’s Girls

It's hard to stay mad, when there's so much beauty in the world. ━American Beauty

Comme des Garcons 1988 by Jim Britt


Jody and Mimi, daughters of Los Angeles photographer Jim Britt


 上の写真は、暮れの大掃除の最中に見つけた『コム・デ・ギャルソン1988-89年秋冬コレクション』のDMだ。(自宅のコピー機で、DMはがきをスキャンして縮小したもの。)
 昨年の引越し時に梱包したままだった古い額縁を見つけて、なんとなく裏板を外したら、そこに挟まっていたDMはがき数枚のうちの一枚だ。このDMが家に届いた当時、気に入って長期間、画鋲で壁に貼っていたために全体が黄ばんでいる。
 この写真に出会うまで、私は、歯列矯正装置をつけてにっこり笑っているモデルというのを、雑誌でもテレビでも見たことがなかったので、かなり驚いた記憶がある。自分の体験から、歯列矯正装置は痛くて煩わしくて醜いものでしかなかったのに、80年代当時、一世を風靡したブランド、コム・デ・ギャルソンの広告では、こんな風にごく自然に使われていたのだ。
 20代の一時期、私はこのブランドの服に夢中になっていて、高価なためかなり無理をして買って着ていた。給料の殆どを服に費やしていたこともあった。だからショップから届くこうしたDMも楽しみの一つになっていて、特に気に入った写真はがきは捨てずに取っておいた。


 今回私がこの写真について書こうとしたきっかけは、2年前に私がflickrにアップした、同じく写真家ジム・ブリット(Jim Britt)による、歯列矯正姉妹の別アングル写真にコメントがついたからだ。私がそれに気付いたのはつい先日のことなのだが、コメントの日付は6ヶ月も前。しかも、名前と内容から、どうやら写真に写っているブリット氏の娘さん本人のようだ。(参照
こんなこともあるのかと、ちょっと嬉しい気持ちになった。


 折角なので、この広告写真についてネットで調べてみた。で、たどり着いたのが Los Angeles Timesのこのページ。(下方 "Get the Picture" 以下の文
これによると、写真が撮影されたのは1976年。84年に「雑誌ピープル」に姉妹と写真が掲載され、更にその4年後にコム・デ・ギャルソンのアートディレクター井上嗣也氏がそれを知って、ブリット氏に写真の使用料1万3000ドルを支払ったということらしい。

Jim Britt - Photography
Comme des Garcons Exhibition in Beijing (2008年7月に、中国での代理人I.Tによる北京の798芸術区にて展示会開催した時の様子。ここにも同じ広告写真がある。)