All Tomorrow’s Girls

It's hard to stay mad, when there's so much beauty in the world. ━American Beauty

 昨日の昼に、久しぶりに会った友人と渋谷「桜丘カフェ」で食事をする。店の前の坂道は何度か通ったことがあるのに、入ったのは昨日が初めて。天井が高く広々としたカフェだ。友人はチキンのワンプレートランチを注文し、私は小海老のココナッツミルクカレーを食べる。


 渋谷駅で友人と別れた後、銀座線に乗って銀座まで出かける。以前から楽しみにしていた、「池永康晟展」を観るためだ。残念ながらご本人は在廊していなかったが、代わりにスタッフの女性が、丁寧に作品の説明をしてくださった。
 池永氏は独学で日本画を描いている作家で、紙にではなく、麻布のキャンバスに岩絵具を用いて美人画を描いており、しかも今回、全て表面のアクリルを外した状態で展示されていた。スタッフの説明の中で驚いたことは、洋服の黒い線は引いているのではなく、先にキャンバスを黒く塗った後で、線の部分を残して洋服の色や柄を重ねているということ。それから、まどろんでいるような表情が特徴的な顔部分にしても、目の粗い麻布に、睫毛や後れ毛など極細の線を引くのは大変時間がかかる作業らしい。当初9月に予定されていたこの個展が、11月に延期になった理由を垣間見た気がした。
 作品にはそれぞれモデルの名前が記されているが、皆どことなく似た雰囲気の顔なので、池永氏の好みが分かりやすい。厚手の全面プリントの洋服や直線的な柄のエプロン姿なのにエロティックな美人画の数々…。私は特に、“志麻さん”を描いた絵が好きだ。

 (Via)

:: 池永康晟 日本画頁