All Tomorrow’s Girls

It's hard to stay mad, when there's so much beauty in the world. ━American Beauty

3/6の「ゲーム脳 講演会」の感想

書こう書こうと思いつつ、この間、私にとって大変感慨深い体験や感激するような嬉しいことが立て続けにあった為、一昨日のうんざりした講演会のことを思い出しながらまたそれを書くのは、それだけで疲れて寝てしまいそうなのですが、今日まで川端裕人氏のエントリーをヲチしてきて、私のような市井の一主婦の感想というのが見当たらなかったので、重い腰を上げて書きます。なお、当日の講演会の内容等については川端氏のリポートにありますので、ここには私の視点から見た講演会の感想のみとします。

□ リヴァイアさん、日々のわざ: 森昭雄氏の世田谷区講演リポート
□ リヴァイアさん、日々のわざ:「あなたの方がおかしい」と森昭雄氏に言われるの巻(世田谷区のゲーム脳講演リポートその2)。追記あり


以前にも書きましたが(参照)、そもそも私がこの講演会のことを知ったのは、息子とたまに通っている区立総合福祉センター掲示板に、例のオレンジの紙が貼ってあったのを見たからなのです。(後に小学生の娘も学校から渡されてきました)なので、もしかしたら当日あの会場には、そういった経緯から参加されていらした母親もいたかも知れません。
私の場合は、オレンジの紙を目にする以前に、既に、「森氏といえば『テレビゲームが原因で自閉症になる』と唱えた教授」という風にインプットされていたので、区が主催って何コレ??と驚愕したのと同時に、ブログをやっていたお陰で川端さんのエントリーを知り、拝読しながら「これは行かなくては!」などとミーハーな気持ちも手伝って、当日参加するに至りました。ああ、それからもう1つ。身近に区の教育委員会に通じている方がいて(その方は森教授推進派)、その方から、今回の講演会開催にあたって内部でも是非論について揉めに揉めて大変だったという話を聞かされていたので、私はにやにやしながら「とにかくどんな感じか話聞いてきますね」などと、当日講演会に行かれないその方に告げたという経緯もありました。


さて、私は結局その講演会には、保育仲間4人と参加したのですが、その4人は4人とも──PC無し/あってもメールとヤフオクしかやらない・我が子にテレビゲームの類は一切やらせていない・日頃から子育てのヒントになるような講演会には熱心に足を運ぶ──というメンバーで、正直「ううう。母ちゃんも息子もPCやってるのウチだけじゃん。我が家が一番「ゲーム脳」に近いのか?!」という状態で彼女達と観客席に並んで座っていました。見ると、私の前後左右9割方が30代から40代の女性たちで埋め尽くされていて、講演開始前、
うちは、RPGはやってるけどバイオハザードなんかはやらせていない。暴力的なのはやらせない方がいいわよね。結局家の中で禁止しても、余所のお宅でやってたら意味無いわよね。「ゲーム脳」って前頭前野が使われないってこと?携帯は?携帯メールも駄目みたいなのよー。ええ〜それじゃあ私が一番危ないじゃないのぉー。やだ〜おほほほほ…
といった、「なのよー&そうよねー」という会話があちこちから聞えてきました。でもその会話の中から母親の本音もちらっと聞えてきて、曰く、「息子に止めなさいといっても聞かないから、森教授の「ゲーム脳」を口実に使って、脳に色が*1つかなくなるのよ!って説得するの」──私は同じ母親として、この言葉は決して笑えません。確かに「ゲーム脳」を持ち出す以前に、自分の子育てや躾の仕方を見直して親子の関係を改善する方法だとか、休日に我が子が家の中でゲームにハマらずに、家族で過ごす楽しみを共有できる環境を整えてあげることとかが重要だというのは、あの場にいらした多くの母親たちは自覚していると思うのです。
森氏の講演時間が予定より長引き、休憩時間もたった5分に短縮されたにもかかわらず、必死に質問票にペンを走らせていた多数の母親たち。我が子が小さい頃からこうすれば…論は、耳にタコが出来るほど聞かされているけれど、今まさに、PC・携帯・ゲームから逃れられない生活環境の中にあって、我が子のゲーム好きをどうやって改善していけばいいのか、ITとどういう付き合い方をしていけばいいのか、という部分に斬り込だ話が聞きたかったと、一言でいうとそんな感じがしました。だから、終了後に座席や外の廊下にいて聞えてきた母親たちの会話は、


最初の部分は専門用語ばかりで難しくてさっぱり分からなかったわ。なんかIQ200の子の例とか、いきなり狼少女とか、ちょっと極端よね。あの時々話しの中に登場したサンデー毎日とか京大の教授とか、なんなのかしら?もっと回収した質問に答えて欲しかったわよね。あの質問された方って、ご自分の子どもはゲームはしないと言ってたわよね。質問された作家はどんな本を書いているのかしら?


──と、まあこんな感じ。確かに会場で拍手喝采が起きた瞬間は*2私もあわわわ…何これ?と驚いたのですが(因みに、保育仲間4人もちょっと唖然顔)、別にはてブのコメント欄に散見されるような「カルト的な信者」といった雰囲気は無かったと思います。*3

続く

*1:お話されていた方は以前も森氏の"プロジェクターで大写しにされた脳に色付きの電流が走っている動画"を御覧になっていたようだ

*2:川端氏の質問に応えて「そういうのを問題にするあなたの方がおかしい!」と森氏が話した直後

*3:追記:2006-06-02 拍手喝采が起きた時の状況は、コメント欄に記載。