All Tomorrow’s Girls

It's hard to stay mad, when there's so much beauty in the world. ━American Beauty

娘の発表会

 雨降りで寒かった先週土曜日に、娘の学校の学園祭に出かけた。
 娘はこの春入学と同時にフォークソング部に入り、今回の学園祭で初めて人前でフォークギターを演奏することになったのだが、たまたま自分が組んだというか、組まされたメンバー二人とソリが合わなかったのか、直前まで殆ど三人で合同練習できないまま発表会に臨んだらしい。事前に娘からこんな話を聞かされて不安だったので、私は会場である教室の一番後ろに立っていた。それが、同じクラスの母親に見つかり、結局、一番前の空いている席にその母親と並んで座って観ることになってしまった。
 で、案の定、演奏が始まって数秒で緊張が走った。ひどい。あまりにもひどすぎる。キーボードの子はメロディーを指一本で弾いているし、ボーカルは伴奏を無視してどんどんスピードあげて歌っているし、娘はボーカルに合わせようと必死にギターを弾くもコードチェンジが追いつかず。下手くそなのは仕方ないとしても、音程がずれていることに気付かないボーカル、耳悪いのか?背中に嫌な汗をかきながら、心の中で早く演奏が終わることだけを祈っていた。たった一曲聴いただけなのに、どっと疲れてしまった。
 娘は、他の二人が終始ニコニコしていたのに対し、終始仏頂面だった。不本意な発表会は、彼女のプライドが許さないだろう。隣の席で聴いていたクラスメートの母親が、「お嬢さん、緊張していたみたいね。では、私、これでお先に失礼します。おほほほ…。」ってな具合に立ち去っていった。私がその時中学生だったら、ピート・タウンゼントのようにギターを振り上げて、床に叩きつけているよ。
 因みにこの日、夫と息子は、夫の両親とともに東京ドームホテルで豪華な昼食を食べていたとさ。