伊丹十三
古典的な謎々がある。
「だれもいない森の奥で、巨きな木が倒れるとき、音はするだろうか、しないだろうか」 私がこの謎々が好きなのは、イメージが美しいからである。青い青い空の下、目にしみるような緑の原始林が陽を浴びて拡がっている。と、一本の巨木がゆっくりと倒れはじめた!──音もなく。
(伊丹十三著 『問いつめられたパパとママの本』新潮文庫 p.201)
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- 作者: 伊丹十三
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/03
- メディア: 文庫
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